季語の本意

ゲリラ豪雨、線状降水帯などという言葉を、頻繁に耳にするようになりました。

あちらこちらの観光地で、手すりが壊れたり、通行止めになったり。大きな被害をもたらしているようです。

良いイメージはないので、俳句では使われないでしょう。

春のお彼岸に、菩提寺を訪れた時のこと。

激しい雷雨に遭遇して、室内で一休み。建物が木造で年代物だったこともあり、地響きまで感じました。

どなたかが「春雷(しゅんらい)ですね」と。

四月の句会にて。

度々に如何でおらばむ春の雷 かほり 選2

「皆さん、この句に何か違和感を覚えませんか?」(先生)

春の雷(はるのらい)とは、春に鳴る雷のことで、春雷は子季語。

ですが、特徴として夏の雷のような烈しさはなく、ニュアンスが違うという訳なのです。

たまたま一部の方の共感を得られたとしても、皆んなで味わうことはできないのですね。

本意を理解していませんでしたので、季語が効いているはずもなく。事前に、歳時記でしっかりと確認することが大切です。

「度々に・・・おらばむ(叫ばむ)」は、夏の雷にはしっくりしますが、これはこれで只事俳句になると思います。

実体験を詠みましたし、創作することもできず、推敲はしないことにしました。

春雷の大轟のたゞ一度 星野立子

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