那覇空港には、沖縄都市モノレール「ゆいレール」が乗り入れています。
屋根のある通路を進めば乗り場があるので、非常に便利
ゆいレールの那覇空港駅は、日本の鉄道最西端の駅で、ひと駅隣の赤嶺(あかみね)駅は、最南端の駅。
那覇空港駅から望む
東京モノレールと同じ日立製なので、似ているところが多い
モノレールの運転に必要な免許は動力車操縦者運転免許(甲種電気車)というもので、二本の線路の一般の電車と同じもの。
この免許は鉄道会社でしか研修・受験することができないので、JR九州、西武鉄道、京浜急行電鉄に分かれて研修、試験を行い、モノレールの特性は千葉都市モノレールで勉強したのだそう。
首里城バージョン
ゆいレールに乗って、世界遺産のある首里へ。
今回の目的は、お城ではなく酒蔵。
咲元酒造合資会社
泡盛の製造工程
- タイ米の砕いたものを蒸す(柔らかくして麹の菌糸が入りやすくするため)
- 蒸した米に黒麹菌をまぶす(麹菌が米のデンプンを糖に変える)
- 酵母と水を加えて発酵させる(酵母が糖を材料にアルコール発酵する)
発酵させているところ
ブクブクブク(アルコール発酵でアルコールと二酸化炭素ができるから)
ここで芋や麦などの材料を加えるのが焼酎。
本格焼酎との違いは、乱暴な言い方をすると、米こうじを作るまで同じで、泡盛は米こうじをそのまま発酵させてしまうようなもの(材料は加えない)これを一段仕込みという。
- できたアルコールを蒸留し、ピュアなアルコールを取り出す
単式蒸留器
一度の蒸留なので、アルコールの中には材料の香りが残っている。蒸留を繰り返して、徹底的に蒸留したのが甲類焼酎(宝焼酎やキンミヤ)で、香りは残らない。
- できたものをタンクで貯蔵してから出荷
泡盛は古酒(クース)に価値があるので、3年以上寝かせてから出荷するものもある。
3年以上寝かせたものを半分以上ブレンドすれば、古酒という表示ができるが、不祥事が起こったので2015年8月からは100%古酒でなければ古酒という表示ができなくなった。不祥事9社のなかに、この咲元酒造も入っていたのは帰ってきてから知ったこと…
あれこれ試飲させてもらう
30度をストレートで飲むとおいしいんだ、これが。
新酒が四合瓶で500円くらい。3年古酒(100%)だと1,500円くらい。10年ものだと3,500円以上。アルコールが蒸発するので継ぎ足す分と手間で、これだけ価格が変わってしまう。
瓶で貯蔵しても古酒にはなる。咲元酒造の人は、瓶とタンクは違うといっていたが、瑞穂酒造は同じと言っていた。 瓶とタンクの大きな違いは、空気が入るか入らないか。ワインなどは大敵なのに、泡盛は時々空気が入った方がいいらしい。だから、飲みかけでもフタを硬く締めれば、そこからでも古酒はできるらしい。
ゆいレール市立病院前下車、徒歩2分
まずはDVD鑑賞
正面にあるのは、古酒にしているもので熟成中と書いてある
床にある出っ張りの正体
地下がタンクになっている。これをくみ上げて濾過するそうだ。だから、ここは土足厳禁なのだな。
試飲は自由なので、度胸と自信があればたっぷり飲める
いろいろ話をしていると、21年ものの古酒を飲ませてもらえた。なんて気前がいいんだ、一本2万円也。黒麹由来のワイルドさはなく、なめらかなのどごし。ウイスキーのような芳醇さ。
沖縄県内では酒税が減税されているので、酒類は本土より安く購入できる。泡盛などは35%減税なので、県内ではかなり安く売られている。
ここ天龍蔵(工場)でも、県内価格と県外価格が表示されている。15%くらい違うので、ここで購入して宅配便で送れば県内価格かと思うと、それは税務署が許してくれないらしい。ここで購入し、近くのコンビニや郵便局から配送しなければ県内価格にはならない。
ただ、ここは酒販店ではないので小売店との兼ね合いで安く販売できないらしい。要するに、定価販売。結局、さんざん迷った挙げ句、持てる範囲の3年古酒四合瓶3本だけ購入。
よく見かけたこの鳥、イソヒヨドリ(きれいだからオス)
ヒヨドリ、といってもツグミの仲間で、世界的には2000から4000メートルの高山に生息していて、イソとはもちろん磯なのだが、近年は海沿いばかりではなく、都会にも生息しているらしい。どこでも住めるたくましい鳥だ。
おもろまち駅前に、海外旅行でおなじみのDFSギャラリアがある
DFSとはDuty Free Shoppersのイニシャリズム(頭字語、頭文字を取ったもの)国内では唯一の街中にある免税店で、2002年に沖縄振興特別措置法の改正で、観光もどし税制度が廃止になった見返りに免税店が許可された。元々米軍住宅があったこの那覇新都心地区の「おもろまち」、おもろとは琉球民謡で「思い」の意味、思いの街くらいの意味だろうか。
DFS独特の化粧品のにおい
半分くらいはアジアからの外国人。
ここに入るには特に何も必要ないが、購入したものは空港の制限区域での受取になる。国内線出発2時間、国際線3時間前まで購入できる。1階は駐車場とみやげ物という感じで、観光バスが立ち寄って団体客が買い物していた。
沖縄県立博物館・美術館へ
詳しくはこちらから
沖縄県立博物館・美術館のWebサイト
感心した展示物はこれ。
アイフィンガーガエル(アオガエル科)
樹洞や葉の根元に溜まった水に卵を産む。
そんな場所にオタマジャクシのエサはないので、母が無精卵を産んでそれをエサにする。 幼生はそれだけを食べて育つ。
国内では唯一の子育てをするカエル。
国際通りへは、ゆいレール牧志駅下車
公設市場にはおもしろいものが売られていて、料理がしたくなる
安里駅前にある、山羊料理「美咲」
このお店に来た目的は、山羊刺身と山羊汁を食すこと。
手前にカウンター(常連用)奥に座敷があり、女将さんに座敷に通される
まずは、山羊料理入門編の刺身(ヒージャー刺身) 前評判では楽勝とのこと
おろししょうが、酢醤油で食べるらしい。 青い葉はフーチバー(ヨモギ)で苦い。臭みを消す薬味の意味もあるのだろう。 たしかにこれは問題なくおいしい。しいていえば、皮が山羊臭強い。 赤身の部分は何のお肉を食べているかわからないくらい。
泡盛は女将さんにおまかせしたら、久米仙だった。 一合と注文すると、トックリで提供されるのは不思議な感じ。 黙っていても、氷と水が提供されるので、水割りがポピュラーなのだ。
女将さんが、山羊汁も出していい?と聞いてくれた。 返事をして数分で、はじめての山羊汁! これを食べに沖縄に来たようなもの。 これだけは食べられなかった、という意見も多く、ちょっと不安。
女将さんが具材を指さし、これが血(たぶんレバー)、これが胃と説明してくれる。
すごい薄味。心配だった山羊臭はたいしたことがない。モツは得意なので、山羊という問題がクリアできれば問題ない。 身らしき脂身がついている部分は、牛肉のようなおいしい味。 レバー部分はしっかり煮込んであるので、焼きすぎの鶏レバーに近い食感(ボクボク)フーチバー(ヨモギ)以外は何も入っていない。調味料もおそらく塩だけ。もう少しスパイスを効かせれば、食べやすくなると思うのだが、沖縄の人にとっては、この素朴な味がいいのだろう。塩気が少ないせいもあるが、ごはんの進む味ではないかなと。
山羊汁の食べにくさは、山羊のモツ汁だからだったのか!と発見。
女将さんに後で聞いてみると、若い山羊を使っているから食べやすいのだそうだ。他の店はもっと食べにくいのがあって、そっちの方がいいというお客さんもいるそう。新鮮なことは確かだから、このお店で食べられたからって、他の店でも食べられるわけでもなさそう。ただ、まったく食べられないようなこともない気もする。
しりしりとは方言で千切りのこと。
作っているところが見えたが、うちで作る難しさは、この細さに切れるスライサーを持っていないこと。油で炒めて、味付けはほぼ塩だけ、最後に玉子でとじていた。黒いのはコンブかなと思って聞いたら、キクラゲだった。
女将さんに泡盛の名前を聞いて、飲んだことのないものを注文。「まさひろ」という那覇市内の泡盛だった。
泡盛は味の違いはわかるのだけれど、みんなおいしいので銘柄はあまりこだわらない。新酒と古酒は、本醸造と純米吟醸くらい違うけれど。
更に、島ラッキョウの油味噌をサービスしてくれた。
山羊汁だが、今度沖縄に来たときもきっと食べるだろうな。